私たちが見えていないものを観ていかなければ

  • 2021年7月30日 (金)

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    櫻井暢子さん「いま、見えないものを観ねば。」

    unid株式会社 コピーライター 芸術家 櫻井暢子さん
    独創的な感性を生かし、事業のブランディングやコピーライティングのお仕事をされている櫻井さん。今回は、本業であるクリエイティブのこと。加えて、もう一つのライフワークであるペットとの共生を目指す「フワフワを守り隊」の活動について発信していただきました!

    2つのライフワークに共通するもの

    きょうは「いま、見えないものを観ねば」というタイトルにしました。
    いま「私たちが見えていないものを観ていかなければ」とすごく感じているからです。

    最近はあまりできていないのですが、犬猫の殺処分問題などの犬猫にまつわる問題を人間社会の問題と捉えて、人間社会の中でどう人をフォローしていけるかということを考えていく活動をしてきました。
    その活動も、私が今しているブランディング、クリエイティブの仕事も同じことが言えるのではないかと思うようになりました。
    その2つのライフワークに共通するのが「いま、見えないものを観ねば」というテーマです。

    ユーンデ株式会社はデザイン、クリエイティブの仕事をしています。
    愛知県生まれの大分育ちで2012年に大分に戻ってきてデザインの仕事を一人で始めて、2016年に法人化。
    西大分の一軒家を借りてアトリエにしていて、現在は私を含め3人で頑張っています。

    自宅では、お客様の会社で出会った猫のチュウと暮らしています。
    最近はガーデニングも始め、教室にも月に1回通っています。
    私たちの仕事は企業さんが抱える課題を聞きながら、その企業さんの課題を解決するために私たちはデザインというものを使って、お客様の問題解決をしています。
    最終的に私たちは社内でビジュアルまでアウトプットしています。
    会社さんの思いをデザインして、ビジュアルをつくっています。

    〈中略〉

    思想をビジュアライズしていく仕事

    さんのメインコピーは「誰もが、誰かに見送られる安心を」にしました。
    いろいろな勉強をさせていただきながら一緒に作り上げていきました。
    「何を目指しているのか、何のために事業をしているのか」ということをあらわした一文です。

    「何を目指しているのか。何のために事業をしているのか」という問いを、なぜ私が大切にしているか。

    それは、ミレニアル世代以降の消費動機がこれまでとはあきらかに違っているからです。
    それは、私たちより下の世代であるミレニアル世代(1981~96年に誕生した世代)の消費意識の変化があります。
    その世代の消費の動機が今までの「役に立つ、安い、かわいい、かっこいい、似合う、似合わない」だけではなくて、作っている企業がどんなことを考えているのか。

    例えば。
    ・どんな良いものでも環境に負荷がかかっているものを選ばない
    ・労働に無理をかけている会社さんを選ばない
    そういう企業の健康的な志を見ているというのがはっきりデータとして出ています。
    10人中9人がものを選ぶ時に、その会社はどんなところなのか、どんな意思を持って事業をして商品を出しているのか。
    ものを買うだけでなくて、それを取り巻く見えないものを価値として捉えていくのが40代から下の世代。
    その傾向は下の世代に行けばいくほど顕著になっていくと言われています。

    だからこそ、やっぱり「ご葬儀をします」だけでなく、ファインさんは色んな事業をしていますが、では「何のためにやるのか」ということになります。
    やはり「誰もが、誰かに見送られる安心を届けたいから」というのがその答えになります。
    この一言があるか、ないかでは全くイメージは違います。
    また、その一言を言うか、言わないかでも全然イメージは違います。
    さらに私たちは黒文字だけではなく、それが直感的に伝わるように、ビジュアライズしていくことも仕事にしています。

    仮に水のボトルデザインを考えるとします。
    中身はおなじ水ですが、こうやってビジュアルを施すことによって、かわいい水にもかっこいい水にもなります。
    そして、なぜかわいい水を、世の中に出していきたいのかというところから一緒に考えていきます。

    愛猫「ねず」が残してくれた大切なもの

    そして、もう一つのライフワークに「フワフワを守り隊」という私と親友でつくった取り組みがあります。

    この写真は私が始めて暮らした猫です。
    大分にも一緒に連れて帰った猫なんですけど、この「ねず」っていう猫が私の飼い方が悪かったせいで、夏の朝帰って来なくなって道路に出たら事故で亡くなっていました。

    私はそこから自分の行いというか、すごい反省をして、もう猫に謝りたい。
    そういう気持ちの一心で、親友に「猫に対して何かできないかなぁ」と尋ねたところ、「大分も含め、全国的に犬猫の殺処分っていうのがあるんだよ」と教えてくれました。そして、その殺処分というのが大分では私の自宅から1kmも離れていないところで行われていると聞きました。
    それなのに私は何も知らなかった。そこから犬猫の問題に取り組み始めました。

    最初は殺処分自体を憎んでいました。
    しかし、「何が一番よくないことなのか」というと捨てられてしまう環境とか、殺処分に至ってしまう人間社会の色んな問題があると気がつきました。
    そこから人間社会に目を向けながら親友と活動をしています。

    能楽堂で展示をしたり、みんなで考える場を持たせていただいています。
    イベントで犬の心臓の音を聞いたり、街頭で全然知らない人の前で現状を伝えるということをやってもらったりしてました。

    一つの社会問題に対して、いろんな人が決して関係がないわけではなく、みんなが色んなアプローチをすれば「命は消えなかったのではないか?」というテーマで専門家と話し合ったりする場を企画したりもしました。

    図書館でも呼びかけたり、子供たちには「フワフワの友達のこと知ってる?」ということで、犬だから猫だからと思考停止するのではなく、犬や猫にも同じ心があって、子供たちに犬や猫も「痛かったり、悲しかったり、嬉しかったりすんだよ」という共感を育む本を作ったりもしました。

    あと、殺処分になっている犬や猫は高齢者が飼っていたケースが多いのです。
    高齢者は入院しなくては行けなくなったり、飼い主が亡くなってしまった場合に残った子が殺処分されている現状があります。

    だから、自分が死ぬとか考えられないかもしれないけれど、自分が「もしも」の時に備えておこうということで、「自分がペットを飼っていて、万が一の時はここに連絡してください」というカードを作り、大分市の動物病院においてもらったりしています。
    さらに、殺処分のことを調べていると殺処分がない国やシェルターを民間がやっている国があることを知りました。詳しく調べるためにドイツに行き、色んなことを学びました。

    「見えているものだけを追いかけては もったいない」

    「犬猫が殺処分になっていること」と「私の仕事」には共通点があります。
    それは、「見えているものだけを追いかけていてはもったいない」だということです。
    いま見えているものだけを追いかけていたらこれらの問題は解決しません。

    近年。SDGsってよく言われていますが、SDGsは何年も先に目標を立てます。
    今まで経済活動が環境破壊をしてきた、差別を生んできたので、これからはそういう問題を生まないように各企業が、よりよい未来のためにそれに則った目標を立てて現実にしていくものです。
    今の現状から「どうする?」という未来志向が大切。
    世界が未来志向になっていく。

    ファインさんは「誰もが、誰かに見送られる安心を」目指して、いまはもしかしたらできていないかもしれないけれど、この先くる未来を見据えて、人の幸せを思い、こういう世界を作っていこうと使命を果たしていく活動をされています。これには、いま見えないものを見ていく力が本当に大切だと考えています。

    未来志向になると、今自分がどう感じていて、どうすれば良いのか、どうしていきたいのかという見えないものを見えるようにと変えていくのが私たちには大切です。
    そして、それが叶うのが早い時代になっていると感じています。。

    ・VALUE:どう感じたか
    ・MISSION:どうすれば良いのか
    ・VISION:どうしていきたいのか

    未来のことをしっかり考えていく。
    見えないことを考えていくことが大切。
    犬猫の問題に関しても、今の私たちに仕事をいただける企業さんに対しても、必ず未来思考で、未来に向けての表現をしていきたいと考えています。

    「世界を変える」というコピーライティングの子供達向けのセミナーをやるんですけど、子供たちに「世界を変えられると思う人」と尋ねると誰も手を挙げない。
    でも、割れたコップの写真と捨てられた猫の写真を見せます。

    「『割れたコップを人に喜んで買ってもらうにはどうしたらいいか』セールストークで何と言おうかね?嘘はつかなくていいし、できるからやってみよう」と促します。
    大人はみんなできるはずがないと考えます。

    次に「捨てられた猫を優しい飼い主を見つけるには?」というワークをします。
    子供たちは割れたコップを「芸術品です。飾ってみませんか」など様々なアイデアを発表します。
    この「芸術品」と付いただけで私たちの見方がまるで変わったと思いませんか。

    私たちはこういう発想をしていかなければいけないのではないか。
    今あるものをそのまま口に出すのではなくて、前進をしていくために。
    何となく今課題に思っていることとか、やらなければならないことだと感じた時に、ではどうしたら良いかという未来志向になる。
    その瞬間に、こういうちょっと、ぶっ壊れた発想が出てくるのかなと思います。
    子供たちに「世界が変わったね」というと「変わった」と言います。
    世界というのは地球全体ではなくて、私たちが感じられる世界です。

    例えば、明るい赤があって「血の赤」というのと、「美味しそうなジャムの赤」。同じ赤でも見方によって、解釈によって異なってきます。

    一つは未来に向かって、何をしていくか、何のためにやっていくのかを、
    自分の今感じているものを、しっかり未来に投影していく。
    それが問題解決思考・未来志向です。。
    ちょっとクレイジーかもしれないけれど、そういうものが大切なのかなと思います。
    みんながこのように考えれば、世界はどんなふうにも変わっていくのではないかと考えたりしています。
    私はこのライフワークと仕事を通して感じている次第です。
    お話は以上になります。

    イマジネーションという力

    サピエンス全史という本で、人間が、ホモサピエンスが残った理由というか。
    ホモサピエンスがホモサピエンスたるものは何かというときに「虚構を手に入れたことである」ということが書いてありました。
    今までは「そこにあるものを、そこにあった」ということしか言えなかったけど、「神様がいる」とか自分が見ていないものを想像して喋ることができるようになった。
    自分の今の発言って本当に見たものなのか、想像したものなのかに分かれると思うんですけど、そういうことを虚構という言葉が使われていましたけど、それについて他の人と話したときに「それはイマジネーションなんじゃないかな」という話になりました。
    私たちができるイマジネーションという力を使って「いま、見えないものを観ねば」という意識。
    見ていないもの、見えていないものを観ていくことが、すごく大切だと感じます。
    それに、見えていないものって否定も肯定もできないので、すごく自由で無限の世界だと思うし、そこをみんなで認めて考えていくのが大切なのかなぁと思っています。

    ありがとうございました。

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